当院でもひと月ほど前より嘔吐・下痢を訴えて来院される患者さんが増えています。ノロウィルスが流行し始めておりますが、ノロウィルスの怖いところはその感染力の高さと大人も子供も症状が出て、一家総感染となってしまうところにあるのではないでしょうか。ノロウィルスの特徴と感染拡大を防ぐ方法を簡単に記します。

子供も大人も嘔吐下痢の症状が出るノロウィルス

冬の嘔吐下痢症の原因ウィルスは、ノロウィルスとロタウィルスが有名です。ノロウィルスは大人は症状が軽微で済むのに対し、ノロウィルスは大人も嘔吐下痢がひどくなります。

ノロウィルスの検査は3歳未満、65歳以上のみ保険適応

ノロウィルスかどうか確定するには、便中のノロウィルスを検出するキットを用いた検査方法があります。しかし、3歳未満または65歳以上のみ保険適応となっており、その他の人が検査を受けるとなると自費となります(当院では検査はしておりません)。原因がどのウィルスであれ特効薬はないので、対症的な治療を行いながら回復を待つことになる*1ので、実際は自費で検査をすることはほとんどありません。よって、この時期に嘔吐下痢を発症した場合、ノロウィルスを念頭に感染が広がらないようにする必要があります。

*1 食中毒は原因菌に対する治療も行います。

ノロウィルスにアルコールは無効、次亜塩素酸ナトリウムが有効

ノロウィルス消毒用次亜塩素酸ナトリウムキット

ノロウィルスはその構造から一般的に使用されるアルコール消毒は無効で、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が必要です。次亜塩素酸ナトリウムはハイターやブリーチなどの塩素系漂白剤に含有されています。吐物・汚物を拭き取った後に汚れた部分を拭く場合は200 ppm (0.02%)、拭き取ったペーパータルやオムツなどはを消毒するには1000 ppm (0.1%)の次亜塩素酸ナトリウムが推奨されています。濃度調整を行ったり、失活しやすかったりと扱いにくい次亜塩素酸ナトリウムですが、当院では1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムとペーパータオルがセットになったキットを備えて感染対策を行っています。こういった便利道具、意外と市販されていないようですね。

詳細については、厚生労働省のノロウィルスQ&Aも参考にしてみてください。