新型コロナウイルス抗体検査(ワクチン後/感染歴 自費)

筒井医院ではワクチン接種後の免疫反応(抗体が産生されているか)をみる目的と過去の感染を調べる目的とで、以下の2種類の抗体検査が可能です。
いずれも自費の血液検査で、結果は3-5日かかります。
参考に当院職員のワクチン接種後の抗体検査結果を掲載しております。

  • 検査の種類
試薬会社標的
タンパク
抗体料金
ロシュNIgGを含む抗体¥4000
アボットSIgG¥4500
ロシュ:Elecsys Anti-SARS-CoV-2、アボット:SARS-CoV-2 IgG II Quant
N:ヌクレオカプシド、S:スパイク

注:当院で扱っているロシュの検査はN蛋白に対する抗体(IgG含む)を、アボットの検査はS蛋白に対するIgG抗体を調べるものです。一方、ロシュもS蛋白を、アボットもN蛋白を標的とした抗体測定用の検査試薬を販売しています。他院で検査を検討される場合はどの蛋白(N/S)を標的にした検査か注意してください。

  • 検査の選択方法
ロシュ
抗体(N)
アボット
IgG(S)
過去の感染
ファイザー
モデルナ
アストラゼネカ
-
シノファーム
シノバック
  • 申し込み方法
    下記「新型コロナ抗体検査申込書」をクリックして入力してください。
    検査希望日前日までに入力いただければ事前の連絡は不要です。
    当日に検査希望の場合は申込書入力後、診察時間内にお電話をください。
    0866-82-3113
    診療時間 月火水金 8:30-12:00, 16:00-18:30 木土8:30-12:00
  • 検査の受け方
    申し込みの時間に来院し、受付で抗体検査を受ける旨を伝えてください。
    採血を行います。
  • 結果
    結果がでるまで3-5日間
    お電話していただくか来院していただき結果をお伝えします。
    上記以外の方法(郵送やE-mailなど)には対応しておりませんのでご了承ください。

抗体検査の目的と現時点での限界

ワクチンの効果を知りたい
どの検査を選択すれば良いですか?
ロシュ
抗体(N)
アボット
IgG(S)
過去の感染
ファイザー
モデルナ
アストラゼネカ
-
シノファーム
シノバック

*アボットの検査では過去の感染とワクチンで産生された抗体の区別はできないため、過去の感染が気になる方はロシュとアボット両方の抗体検査を行うことをお勧めします。
*海外でシノファームまたはシノバックのワクチン接種をされた方はロシュ/アボットいずれの検査でも抗体産生が確認できます。

現時点での限界

  • スパイク蛋白質を標的としたmRNAワクチン(ファイザー/モデルナ)接種後に免疫反応が起こり、スパイク蛋白質に対するIgG抗体が産生されたこと(seroconversion)を確認できます。
  • mRNAワクチンでは液性免疫と細胞性免疫の両方が獲得できると考えられています。
    IgGは液性免疫の一つであり、IgGがワクチンによる効果の全てではありません。
  • 抗体が産生されたことの意義(期待できる効果)については研究段階にあり、その解釈は慎重に行う必要があります。抗体があっても従来通りの感染対策を行うことが推奨されます。
    FDA(アメリカ食品医薬品局)は間違った解釈を行なった人が感染を広げることを危惧し、現時点ではワクチン後の抗体検査を勧めてはいません。
    https://www.fda.gov/medical-devices/safety-communications/antibody-testing-not-currently-recommended-assess-immunity-after-covid-19-vaccination-fda-safety

コミナティ(ファイザー)接種後のIgGの推移

【対象】
当院職員

【方法】
ファイザー社ワクチン(コミナティ)を3週間隔で2回接種
1回目接種後21日、2回目接種後14日後・1ヶ月後・3ヶ月後
アボット(SARS-CoV-2 IgG II Quant)でスパイクタンパクに対するIgGを測定
*1回目接種後21日は1名のみ

【結果】
1回目接種後21日 中央値 830 AU/ml
2回目接種後14日 中央値 21,000 AU/ml
2回目接種後1ヶ月 中央値 13,000 AU/ml
2回目接種後3ヶ月 中央値 2,816 AU/ml

当院のデータを利用される場合は「お問い合わせ」からご連絡をお願いします。

過去に新型コロナにかかったか知りたい
どの検査を選択すれば良いですか?
ロシュ
抗体(N)
アボット
IgG(S)
過去の感染
ファイザー
モデルナ
アストラゼネカ
-
シノファーム
シノバック
  • コロナワクチン未接種:ロシュ、アボットいずれも可
  • コロナワクチン接種済:ロシュ
    ただし、シノファームまたシノバックのワクチン接種をされた場合は感染による抗体とワクチンによる抗体の区別はつけることができません。

現時点での限界

  • 過去の感染を見る目的としての抗体検査は確立されたものとなってきています。
  • 新型コロナウイルスに感染後、どれくらいの期間抗体が残存するかはまだ研究段階にあります。
  • 感染後の抗体有無によらず、現時点ではワクチン接種を行うことが推奨されています。また、どの程度の抗体があれば感染を防ぐことができるかは研究段階にあるため、感染してワクチン接種前に抗体がどの程度あるか検査をしても、ワクチンを打つ必要があるかどうかの判断材料にはならないことをご理解ください。